日経ビジネスオンラインにおいて、『「進化政治学」で選挙が見える』と題して連載されました。7回シリーズです。サイトは以下の通りで、ごらんになれます。http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090515/194812/
(1)2009年6月1日 『政治と浮気は、同じメカニズム』
【オリエンテーション】進化政治学とは何か
進化政治学が、米国政治学界において萌芽したのは80年代で、論文が発表されるようになったのはつい最近です。生物学、特に進化論を基に政治をとらえ直そうという手法です。
(2)2009年6月8日 『合理的に考えれば「投票はしない」』
【第1講】民主主義が機能しない理由
政治学では、「合理的無知仮説」と呼んでいます。私たちは遺伝子レベルにおいて合理的に判断し、その結果として政治リテラシーの無知状態に入っているのです。
(3)2009年6月15日 『双子は同じ政党を支持する? しない?』
【第2講】新説・有権者の投票行動研究
職業、年齢、性別、収入、学歴などの変数で、政治学者は投票行動を分析しています。そんな中、新たな変数として進化政治学者が唱えているのが、遺伝子の影響です。
(4)2009年6月22日 『握手は、マニフェストよりも強し』
【第3講】五感に訴える選挙戦術
よく有権者は選挙に当たって、「人物本位で選ぶ」と言います。この人物本位とは、どうやら「見かけ」の部分が相当に大きいと思われます。なんだかんだ言っても、見栄えのよい候補者が当選しているのではないか、顔で.....
(5)2009年6月29日 『「利得」で自民、「損失」で民主』
【第4講】選挙公約とプロスペクト理論
「民主党は政権担当能力がないから、投票できない」という有権者の声を耳にします。が、1回も政権を担当していない民主党は、能力はゼロ。それを根拠にしていては、自民党政権が永久に続きます。
(6)2009年7月6日 『失言はつき物、かもしれません』
【第5講】政治家の資質に関する考察
「政治家は自分の発言に責任を持つべき」というのは確かでしょう。でも、不適切発言をいちいち取り上げて“政争の具”として糾弾することは、日本の政治にとって生産的な活動と本当に言えるのでしょうか。
(7)2009年7月13日 『「至近」だけでは物事を見誤る』
【補講】進化政治学の可能性
我々の行動に関する仮説は、直接的な因果関係を基に生み出す至近メカニズムが主流です。しかし、それは本来であれば、進化過程との整合性によって裏づけされなければならないのです。